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特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
局所暗順応に関する研究—Tübinger視野計付属暗順応計による測定結果
著者: 丹羽巽1 馬嶋昭生1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.237 - P.243
文献購入ページに移動暗順応の測定には簡易な方法から特殊な器械を用いる方法まであり,従来Nagelの暗順応計が広く用いられてきたが,近年暗順応のための前処置明順応が同一装置内ででき,暗順応曲線を経時的に自動的に記録できる装置が考案されて普及し,日置式暗順応計,Goldmann—Weekers暗順応計,Hartinger暗順応計などが使用されている。
最近,量的視野計として注目をあびているHarms教授考案のOculus社製のTübinger視野計は,それに付属するadaption curve printerを接続すると暗順応計として使用できる。この暗順応計の特長は,視野計をそのまま利用しているため,検査視標がごく小さく,白色光のほか9色の単色光が得られ,その上検査視標が0°から90°までのどの部にも投影されので任意の網膜部位の暗順応が簡単に測定されることである。しかし,Tübin—ger視野計付属暗順応計(以下Tübinger暗順応計と省略す)の基本的な使用法の説明は,水野,馬嶋1)によりなされているが,この暗順応計による詳細な報告はない。著者は,この装置を用いて正常者と夜盲を訴える異常者に対して局所暗順応を試み,きわめて鋭敏な暗順応計として使用できるとの結果を得たので報告する。
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