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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻3号

1969年03月発行

特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その3)

コンタクトレンズによる角膜中央部上皮のDimplesについて

著者: 水谷豊1

所属機関: 1日本コンタクトレンズ研究所

ページ範囲:P.319 - P.324

文献概要

I.緒言
 コンタクトレンズ(以下CLと略す)装用時に,時としてCLの角膜中央部付近に,ちようどゴルフのボールの表面あるいはブドーの房のような,境界のはつきりした多数の小さいくぼみが集まつている所見を認めることがある。そして,そのくぼみには気泡が入り込んでいる(第1,2図)。この所見はすでに1960年F.Dickinson以来数氏によつて報告され,CLに関する参考書には定型的な図が示されている。Norman Bierは著書の中でこの所見を記述し,この症状に伴う視力障害を特にdim—ples veilと称した。また長谷川信六(1964)は,角膜の周辺部ことに角膜の3時および9時位にできるDelleと区別するために,角膜中央部のくぼみをcentral tinydimplesと呼ぶように提唱している。J.M.DixonらはCL装用者のうち,角膜上皮のdimplesを観察した65人について,比較的詳細にその臨床像を述べ,dimples内の気泡についての化学的な小実験を行ない,この気泡が水蒸気飽和の空気であることを証明している。またdimplesの形成については,まず角膜上皮に小点ができ,これらの点が数および大きさを増してからくぼみができる。くぼみが一定の大きさに達すると,瞬目運動によつて気泡が集まり,そこに留まるようになるとしているが,ではこのくぼみがどうして出来るのかについては明らかにしていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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