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特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
Cornelia de Lange症候群について
著者: 伊藤健二1 安達章子1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.341 - P.347
文献購入ページに移動1933年Amsterdam小児科教授Cornelia de LangeはTypus Amst elodamensisと名づけて特異な顔貌(左右連続した眉毛,非常に長い睫毛,上向きの鼻孔,口角の下がつた口唇耳介低位など)および種々の先天奇型(小頭症,短肢症,合指症など),生下時低体重と発育障害,精神薄弱,眼症状などを伴つた症候群の2例を発表した。その後欧米諸国において報告され,また日本においては1963年,奥平などにより小児科集会においてなされた1例報告が最初である。現在までに世界で報告記載されているものは約100例余りであり,そのほとんどが小児科領域におけるものであり,眼科的にも興味ある症状を有しながら,記載はDuke-ElderおよびWaar—denburgらの成書のみであつたが,1966年D.H.Ni—cholsonらによつて眼科における最初の報告がなされた。また本邦では昭和43年9月,第460回東京眼科集談会において横井らが剖検例を報告した。
従来の報告は,眼症状についてはあまり顧みられなかつたが,今回著者らは4名の患者を診察する機会を得たので,ここに報告したい。
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