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特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
糖尿病患者涙液の糖呈色反応
著者: 徳田久弥1 米村温夫1 岡山高重1 大坪成二1 高野玄興1
所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.517 - P.522
文献購入ページに移動糖尿病患者の涙液糖量が正常者に比べてかなり高いことは,以前(昭38)徳田,村田1)の報告したとおりである。しかし涙液の採取が容易でないところから,実際の臨床ではなんらとりあげるに至つていない。そこでテステープ,クリニスティックスなどによる糖呈色反応が,血糖値のある程度の上昇につれて確実に陽性に出るならば,高血糖の予知や糖尿病性こん睡の診断などで,その簡便性の点からかなりの実用性をもつことになる。しかしこの方面の報告は,Lewis2)(1958)およびGasset3)(1968)が,クリニスティックスを用いて行なつているだけで,わが国での報告は皆無である。LewisはいわゆるHyperglycemiaとして160mg/dl以上をとりあげ,その場合85%が陽性にでると述べており,Gassetは,糖負荷後の平均血糖値193mg/dlにさいして,96%(25/26例)が呈色反応陽性を示し,高血糖を間接的に知る方法として,この涙液の糖呈色反応が簡便かつ迅速という点ですぐれていることを強調している。
われわれは最近糖尿病患者の集団検診を利用して,この涙液の糖呈色反応をテステープとクリニスティックスの両者を用いて検討した結果,さらに新しい二,三の知見を得たのでここに報告する。
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