文献詳細
文献概要
特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その5)
眼科領域におけるASL-O値およびその新しい測定の検討
著者: 宮永嘉隆1 大国寿士2
所属機関: 1東京警察病院眼科 2日本医科大学細菌学教室
ページ範囲:P.617 - P.622
文献購入ページに移動眼科領域に限らず,一般にその病態と従来のASL-O値との関係が矛盾する疾病にしばしば遭遇することがある。すなわち同一眼科疾病においてもASL-Oの値がばらばらであり,これを治療の対照目的に入れるべきか困惑する場合が非常に多い。これには従来のASL-O値の感度の低さもその一因があろうと考えられる1)。そしてその感度の低さの一因にはSL-Oの純度の問題があるであろうと考えられる。そこでこの数年来大国らはSL-Oの精製をすすめるとともに,新しいASL-O測定法として,ホルマリン処理感作血球凝集反応を応用した方法を考案し,これが従来の方法に比してどのような関係をもち,また感度のよさがあるかを検討してきた2)3)。一方眼科疾病において,ASL-Oか高値を示す疾患,またそれに類似の疾患でASL-O値の高くないものなど種々病例をとりあげ,これらの患者の血清を対称として従来のTodd単位によるもの12)と新しいHaemagglutination(HA)によるわれわれの方法とを比較検討し,いささか知見を得たので報告する。
掲載誌情報