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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻5号

1969年05月発行

文献概要

特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

Vitamin B2の網膜に及ぼす影響についての実験的研究—第1報Vitamin B2の視紅再生について

著者: 宮浦康児12

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2大阪市交通局病院眼科

ページ範囲:P.681 - P.688

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I.緒言
 すでに古く1935年,Euler, Hellström u. Adler1)氏らは,螢光顕微鏡で魚の他に人,牛,家兎,ネズミなどに遊離のVitamin B2(以下VB2と略す)が多量に存在するをみて,これが黄色酵素として新陳代謝に関係するのではなく,VB2,すなわちFlavinの有する螢光によつて網膜に弱光に対する感光度を増強するのではないかと考えKarrer, Fritsch2)氏らはFlavinの螢光の光学的飽和量が,魚の網膜のVB2含量に相当する事実を認めて,この考えに賛成している。以来光覚とVB2との関係については,わが国において種々の実験的報告が続いているが,その中には相反した結果の解決されていない部分もある。また近年VB2の薬化学が発達し,活性の強いFlavin adenine dinucleotide (以下FADと略す)が製造され,かつ,FADを基とした新しい形の薬剤も生まれつつある。今回これらの点に鑑み,FADおよびその製剤の1)視紅再生に及ぼす影響,2)実験的網膜変性症のERGに及ぼす影響,3)暗順応ならびに網膜色素変性症に及ぼす影響について種々の実験を試み,網膜色素変性症の治療に関する基礎的な実験的研究を行なつたので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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