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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻5号

1969年05月発行

文献概要

特集 第22回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

トキソプラスマ症の実験的研究—II.眼疾患とトキソプラスマ抗体保有率との関係

著者: 大川親正1

所属機関: 1三重県立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.721 - P.728

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I.緒言
 わが国における眼トキソプラスマ症(以下Tp症と略記)の存在は,1954年生井ら1)が中心性滲出性網脈絡膜炎の患者の髄液よりTp原虫を発見して以来注目されはじめ,近年特にその研究が活発となり,先天性,後天性ともにTp症の中で眼Tp症の占める役割の大なることが一般に認められてきている。しかしながら眼組織よりの虫体検出がほとんど不可能であるため,眼Tp症の診断に対する決め手となるべきものがなく,現在なお推定診断にとどまつているにすぎない。
 Tp症が眼科領域で発症する場合,なんらかの特異的病巣を示すものかどうか,あるいはまた特異的所見がなくともいかなる病巣所見を示すことが多いか,という観点より眼疾患患者におけるTp抗体保有率の検索が多くの人々によりなされてきている。そのためには,まず健康人におけるTp抗体保有率を調べることが必要となつてくる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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