文献詳細
臨床実験
文献概要
I.はじめに
角膜移植の最大の敵は侵入血管である。もしこれを抑える的確な方法があれば,移植術の適応は大幅に拡大し,その手術成績は飛躍的に向上するだろう。これまでにも,角膜新生血管にさまざまな手段が試みられているが,近時,酸素の球結膜下注射が臨床的に有効と報告されている8)11)12)。実際そのとおりならば,大いに普及すべきであろう。一方,角膜新生血管がanoxiaによることは明らかなので,この方法はまことに合理的と思える。しかし球結膜下に置かれた気状の酸素が,はたして損傷された角膜によつて十分に利用され,その酸化代謝障害を改善し,新生血管阻止に役立つだろうか。この点を明らかにするために次の実験を行なつた。
角膜移植の最大の敵は侵入血管である。もしこれを抑える的確な方法があれば,移植術の適応は大幅に拡大し,その手術成績は飛躍的に向上するだろう。これまでにも,角膜新生血管にさまざまな手段が試みられているが,近時,酸素の球結膜下注射が臨床的に有効と報告されている8)11)12)。実際そのとおりならば,大いに普及すべきであろう。一方,角膜新生血管がanoxiaによることは明らかなので,この方法はまことに合理的と思える。しかし球結膜下に置かれた気状の酸素が,はたして損傷された角膜によつて十分に利用され,その酸化代謝障害を改善し,新生血管阻止に役立つだろうか。この点を明らかにするために次の実験を行なつた。
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