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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻8号

1969年08月発行

文献概要

臨床実験

眼疲労および偽近視の治療に対するイノシン点眼薬の効果

著者: 石川明1 豊島滋2

所属機関: 1東京電力病院眼科 2慶応義塾大学医学部薬化学研究所

ページ範囲:P.975 - P.981

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I.はじめに
 イノシンはヒポキサンチンとリボースからなり,化学名をヒポキサンチン・リボサイド(Hy—poxanthine riboside)と言い,イノシン酸を脱燐酸したNucleosideで,その薬理作用はATP類似の作用をもつ薬物である。すでに各科領域において,心臓疾患を始め末梢神経の麻痺などに対して広く応用されているが,この薬剤の最大の特性はアデノシンやグアノシンに見られない細胞透過性がきわめて高いという点である。この観点から少量の点眼によつて眼内移行が行なわれ,イノシン本来の薬理作用が有効に行なわれるであろうことは容易に推察されるところである。豊島らは14C-InosineをScintillation spectrometerを用いて,そのradioactivityを時間的に測定し,眼内移行の経過を確認した(第1,2表)。
 その成績によれば,イノシンは点眼後すみやかに房水に出現し,2時間をピークとして漸次減少,6時間後にはほとんど消失する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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