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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科23巻9号

1969年09月発行

文献概要

臨床実験

テタニー白内障の2例

著者: 秋山健一1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1061 - P.1069

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I.緒言
 1887年Meynert21)は特発性テタニーに白内障が合併することを初めて報告した。Landsberg18)は1888年甲状腺手術後に起こるテタニーに合併した白内障の症例を報告した。その後20世紀の初めにかけて欧米では数多くのテタニー白内障の報告がなされたが,わが国においてはその臨床報告例は比較的少ない。文献を見ると,著者の調査し得た範囲内では,特発性テタニーに合併する白内障では,景崇徳15),日比野清10),青木平八4),曲直部正夫19),生田啓吉11),大石省三24),矢ケ崎薫28)の7例,術後テタニーに合併する白内障では,平井信一9),瀬戸川朝一25)の2例の報告がある。
 白内障を併発する慢性テタニーは大きく三つに分類できる。(1)特発性副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(2)術後副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(3)偽性副甲状腺機能低下症に見られるテタニーである。(1)および(2)に併発した白内障の報告は前述したごとく,多く見られるが1),(3)に併発した白内障については,内科,小児科領域における報告はあるが2)8)12),眼科領域ではまだその報告例を見ない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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