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臨床実験
テタニー白内障の2例
著者: 秋山健一1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1061 - P.1069
文献購入ページに移動1887年Meynert21)は特発性テタニーに白内障が合併することを初めて報告した。Landsberg18)は1888年甲状腺手術後に起こるテタニーに合併した白内障の症例を報告した。その後20世紀の初めにかけて欧米では数多くのテタニー白内障の報告がなされたが,わが国においてはその臨床報告例は比較的少ない。文献を見ると,著者の調査し得た範囲内では,特発性テタニーに合併する白内障では,景崇徳15),日比野清10),青木平八4),曲直部正夫19),生田啓吉11),大石省三24),矢ケ崎薫28)の7例,術後テタニーに合併する白内障では,平井信一9),瀬戸川朝一25)の2例の報告がある。
白内障を併発する慢性テタニーは大きく三つに分類できる。(1)特発性副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(2)術後副甲状腺機能低下症に見られるテタニー,(3)偽性副甲状腺機能低下症に見られるテタニーである。(1)および(2)に併発した白内障の報告は前述したごとく,多く見られるが1),(3)に併発した白内障については,内科,小児科領域における報告はあるが2)8)12),眼科領域ではまだその報告例を見ない。
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