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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科24巻11号

1970年11月発行

文献概要

特集 小児眼科

先天性白内障

著者: 植村恭夫1

所属機関: 1国立小児病院眼科

ページ範囲:P.1343 - P.1347

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はじめに
 すべての先天異常のなかで,眼球および眼窩の異常が,その60%以上を占めるとされており,その中でも,先天性白内障は,最も臨床上遭遇する重要な眼疾といえる。国立小児病院眼科外来の統計によると,新患総数の約2%を占めている。Hatfieldの報告によると,先天性白内障は,就学前児童の失明の11.5%を占めており,おそらく成人の失明の5%がこれであろうとしている。先天性白内障は,白内障のみの単独異常の場合と,他の眼疾に伴う場合と,全身異常の一つの症状として出現する場合とがある。先天性白内障は,生下時すでに認められるもののほか,発達白内障(developmental cataracts)の名称のごとく,生下時正常にみえる水晶体に,ある月齢,年齢を経て白内障の出現する場合がある。
 先天性白内障は,病因的にも,治療面にもはなはだ重要な眼疾であり,今回は,診断,治療に関し述べてみることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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