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特集 小児眼科
盲学校における含硫アミノ酸代謝異常症のスクリーニングとその意義
著者: 大浦敏明1 竹内徹1 奥村柔人1 上村勇2 間瀬小波2 田中百合子2 湖崎克3
所属機関: 1大阪市立小児保健センター第一内科 2大阪市立小児保健センター臨床検査科 3大阪市立小児保健センター眼科
ページ範囲:P.1367 - P.1374
文献購入ページに移動いろいろな先天性代謝異常症患者を取り扱つていると,中枢神経系の異常とともに,さまざまな眼症状を伴うものが多いことに気づく,第1表はそのおもな疾患名と,眼症状を列記したもので,詳細は大浦が綜説として発表した1)2)。しかし盲学校における含硫アミノ酸代謝異常症のスクリーニングを企図したのは,われわれがたまたま某盲学校生徒中ホモシスチン尿症の姉妹を発見したことに由来する。ホモシスチン尿症は含硫アミノ酸代謝異常症の一つで,臨床的には,精神薄弱,けいれん,マルファン症候群様細長い体型などとともに,水晶体偏位を主症状とする。したがつて本症の頻度は比較的まれとはされているが,盲学校生徒,とくに盲精薄を有するものの中に集積する可能性がある。そこで盲学校生徒の尿をもちいてシアンニトロプルシッド反応による本症のスクリーニングを行なうこととした。
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