icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科24巻2号

1970年02月発行

文献概要

特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その2)

瞳孔運動の研究

著者: 佐久間芳三1

所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.189 - P.195

文献購入ページに移動
I.緒言
 瞳孔運動を連続的に詳細に記録し観察することは診断上,また予後の判定上,きわめて有意義なため,古くから多くの人々により,この記録が試みられている。その代表的な研究者は,Lowenstein1)で初期は映画撮影法を利用していたが,後にElectronic pupillographyを確立し,各種疾患につき瞳孔運動を記録し報告している。しかしこの方法はslitのついたdramを高速回転し,虹彩面を走査する方法であるが,機械的な弱点があることと,2mm以下の縮瞳状態では計測できないことと,被検者の眼が1点を固視していても,必ず不規則に左右動をしていることと,時々瞬目運動をくり返しているなどによつて十分記録できない欠点を有していた。この被検眼が微動することと瞬目運動が瞳孔運動にいかに関与するかの究明は,過去の記録法では全く不可能な事柄であつた。本邦でも最近光電管を利用した高木式瞳孔伸縮度測定器が市販されているが,前述の欠点は依然として,種々の問題点を残している。また43年には,内藤,石川氏2)は赤外線ビジコンカメラによつて虹彩面を撮影し,これを映像解析器のシュミット映像回路,積分回路によつて瞳孔面積を自動的に算出し,pen-recor—derに記録する方法を報告しているが,これでもやはり前述の欠点を十分には解決していない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?