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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科24巻2号

1970年02月発行

文献概要

臨床実験

Ubretid点眼による緑内障の治療

著者: 塚原重雄1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.291 - P.296

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I.緒言
 緑内障に対する降圧剤としてエゼリンが使用されて以来1),種々なる抗コリンエステラーゼ剤が登場し,この方面に広く応用されている。その主なるものとしては,Demecarium bromide, Phospholine iodide, DFP,Arminumらがあるが2)〜10),しかしながら最近これらの薬剤に対して多くの副作用の存在が指摘されつつある15)〜21)。そこで緑内障の治療薬としてより持続性があり,副作用の少ない抗コリンエステラーゼ剤の開発が望まれていたところであるが,1957年オーストラリアのÖsterreichische stickstoff wmerkeの研究所でDistig—mine bromide (BC 51 or Ubretid)が合成され,主として経口投与により重症筋無力症,各種の排尿障害,弛緩性便秘症などに使用され,この薬剤効果の持続性,副作用の少ないという点で注目されている11)〜14)。本薬剤の構造式は第1図のごとくで白色結晶粉末,無味,無臭できわめて水溶性であり安定性も高い。Ubretidのほかの抗コリンエステラーゼ剤と異なる点は,その作用が可逆性であることにあり,この点から本薬剤の作用がmildであることが起因していると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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