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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
線維柱組織における酸性粘液多糖類の局在
著者: 瀬川雄三1
所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.363 - P.367
文献購入ページに移動I.緒言
房水流出抵抗の一部は,線維柱組織に存在するヒアルロニダーゼに感受性のある酸性粘液多糖類によるものであるということが,灌流実験によつて明らかにされている1)〜3)。この見解は,組織化学的研究によつてもまた支持されている4)。しかしながら,線維柱組織のどこに存在する酸性粘液多糖類が流出抵抗に関与しているかという問題に対しては,現在なお定説がみられない。
一方人眼の場合,線維柱組織を構成する内皮細胞には高頗度の小孔が存在し,Schlemm氏管内壁には低頻度の細孔が存在することが,超薄連続切片法5)6),ならびにレプリカ法7)を用いた電顕的研究によつて明らかにされており,房水はこの通路を通つて流出するものと推定されている。
房水流出抵抗の一部は,線維柱組織に存在するヒアルロニダーゼに感受性のある酸性粘液多糖類によるものであるということが,灌流実験によつて明らかにされている1)〜3)。この見解は,組織化学的研究によつてもまた支持されている4)。しかしながら,線維柱組織のどこに存在する酸性粘液多糖類が流出抵抗に関与しているかという問題に対しては,現在なお定説がみられない。
一方人眼の場合,線維柱組織を構成する内皮細胞には高頗度の小孔が存在し,Schlemm氏管内壁には低頻度の細孔が存在することが,超薄連続切片法5)6),ならびにレプリカ法7)を用いた電顕的研究によつて明らかにされており,房水はこの通路を通つて流出するものと推定されている。
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