文献詳細
文献概要
特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
1%トロパ酸アミドと1%ピロカルピンの併用点眼による偽近視の集団治療成績
著者: 山地良一1 中山周介1
所属機関: 1大阪医科大学眼科
ページ範囲:P.381 - P.387
文献購入ページに移動昨年春の日眼総会宿題報告の近視に関する諸問題のシンポジウムにおいて,偽近視の研究についての山地の報告1)に対して,三井幸彦氏1)は「アトロピンのような高度の調節麻痺を起こさせる薬およびピロカルピンのようなCyclospasmを起こさせる薬は,ともに調節のIm—pulseを減弱ないし消失させる作用がある。こういう状態を持続させれば薬を抜いたあとも調節のSpasmはとれる可能性がある。ところが弱いCycloplegic drugを用いると,不完全なCycloplegiaが起こる。こういう時期には患者はなんとかして近くを見ようとして,非常に強い調節のImpulseを出す。このことは調節性輻輳が著明に大きくなることによつて測定される。たとえば就寝時に点眼して,翌朝その作用がわずかでも残つていると,翌日は同じ調節をするために平常より強い調節のImpulseを出し続けることになる。そのために薬を抜いたあとReboundとして,かえつて強いCyclospasmを誘発するおそれがある。こういうおそれをなくするためには就寝時に弱いCycloplegic drugを用いたら,翌朝Cyclospasticを用い,夜と昼で交互に使用していくのがよいのではないか」と述べられた。
掲載誌情報