icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科24巻3号

1970年03月発行

文献概要

わたしの意見

眼科医の近代化とは—(その1)

著者: 井上洋一1

所属機関: 1オリンピア・クリニック

ページ範囲:P.426 - P.427

文献購入ページに移動
眼科開業医の地位
 大量生産時代に入ると,すべてがベルトコンベア式に運ばれてしまい,パーツにばらつきがあり,組み立てた製品に案外故障が多い。これは,祖母にすすめたカラーテレビの工合が悪く,修理に来てくれた業者の話である。例外的に高く評価されている製品にしてこの調子では,他は推して知るべしであろう。私ども眼科開業医もこの10数年,大量生産的に患者を診察してきており,洗眼台を効台並べて患者をさばいていくのが近代的であると考えている人もある。現代の社会のすさまじい流れを見ていると,医者が流されていくのも仕方ないことであろう。開業して間もない頃,私は次のような檄を草した。
「現行の健康保険制度の中には,多くの問題がひしめいている。これを扱う医師の態度にも複雑な影がうかがわれる。これが制度自身のゆがみであるか,医師の意識のゆがみであるかは決められない。しかし制度の欠陥のみを,これでもか,これでもかとあまりに強調しすぎるきらいがあり,読んだ後,聞いた後の味がちつともすつきりしない。むしろ,私ども医局出たての開業医は,制度の欠陥のみにその責任を負わせようとする傾向には反発を感じる。等々……」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?