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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
糖尿病患者眼底の血管径計測による経過観察
著者: 小島道夫1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.483 - P.487
文献購入ページに移動糖尿病患者においては網膜静脈の拡張の著明なものほど網膜症の発症,進行率が高いといわれる(福田ら1964年,石川ら1964年)。このことは網膜動・静脈径と網膜症の発症,進行との間になんらかの関係を予想させる。実際これまで糖尿病患者の網膜血管径計測を行なつたのはLobeck (1936),Jütte (1956),小島(道)(1964),佐野ら(1965)であるが,これらの人々は正常者と糖尿病患者の非網膜症および網膜症群について論じたので,糖尿病患者の眼底経過を網膜血管径計測により追究した成績はまだ報告されていない。
著者は今回昭和28年月から43年まで15年間に新潟大学眼科学教室を訪れた糖尿病患者のうち5年以上経過を観察することのできた102名において眼底写真撮影を行なつてその経過を観察し,しかもその写真が網膜血管径計測に必須の条件にかなつている50例89眼について,その5年前後の写真について計測を行ない,その結果から網膜症の発症,進行因子を追究してみたところを報告する。
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