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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
螢光眼底撮影法による糖尿病性網膜症の研究—家族性糖尿病および二次性糖尿病について
著者: 高慶二1
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.497 - P.508
文献購入ページに移動まえがき
糖尿病の発病には,現在のところ遺伝負荷の影響が大であることが,ひろく一般に認められている。そして,その遣伝様式については,D.Vaughanら1)は偽優性遺伝pseudo-dominant inheritanceであるとし,宮尾2)は多因子説を支持している。また,糖尿病性網膜症にみられる網膜細小血管症microangiopathyに関しては,糖代謝異常を起こす糖尿病の遣伝因子が,microangio—pathyをも起こすとする考えかたと,糖代謝異常をおこす遣伝因子以外の因子によつてもmicroangiopathyが起こるとする3)4)5)二通りの考えかたが行なわれている。
一方,螢光眼底撮影法は,その開発以来ほぼ10年の間に,多くの眼底疾患の病態の解明に貢献してきた。その理由の一つに,生体眼において,本法が病理組織学的所見に最も近い水準で網膜血管系の病変を検索できるということがある。そして,この方向から糖尿病性網膜症に関しても,数多くの研究が行なわれてきた。たとえば,検眼鏡的に網膜病変を認めない症例,あるいは,前糖尿病状態prediabetic stateの症例において,micro—angiopathyの早期発見に非常に意義のある検査法であるとされている。
糖尿病の発病には,現在のところ遺伝負荷の影響が大であることが,ひろく一般に認められている。そして,その遣伝様式については,D.Vaughanら1)は偽優性遺伝pseudo-dominant inheritanceであるとし,宮尾2)は多因子説を支持している。また,糖尿病性網膜症にみられる網膜細小血管症microangiopathyに関しては,糖代謝異常を起こす糖尿病の遣伝因子が,microangio—pathyをも起こすとする考えかたと,糖代謝異常をおこす遣伝因子以外の因子によつてもmicroangiopathyが起こるとする3)4)5)二通りの考えかたが行なわれている。
一方,螢光眼底撮影法は,その開発以来ほぼ10年の間に,多くの眼底疾患の病態の解明に貢献してきた。その理由の一つに,生体眼において,本法が病理組織学的所見に最も近い水準で網膜血管系の病変を検索できるということがある。そして,この方向から糖尿病性網膜症に関しても,数多くの研究が行なわれてきた。たとえば,検眼鏡的に網膜病変を認めない症例,あるいは,前糖尿病状態prediabetic stateの症例において,micro—angiopathyの早期発見に非常に意義のある検査法であるとされている。
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