文献詳細
特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
意識障害者・小児の視野計測法—赤外線テレビによる瞳孔反射視野計
著者: 杉田虔一郎1 杉田雄一郎1 六鹿直視1 高岡淑郎1
所属機関: 1名古屋大学医学部脳外科,(杉田眼科病院)
ページ範囲:P.517 - P.523
文献概要
現在まで視野計測はすべて患者の光刺激の認知による返答によつて行なわれたため,小児や意識障害者の視野計測は全く不可能であつたが,われわれは患者の返答のかわりに対光反射を指標とすることにより,検査に非協力な患者の視野計測も可能な装置を考按した。
古く1881年Wilbrand17),1883年Wernicke16)は半盲側からの光の投射に対しての対光反射は,その健側に比べて弱いことを記載している。Hess (1907)9)やG.Braun (1934)3)らは種々な装置を考按して,そのことを確かめるべく努力した。1949年H.Harmus8)は対光反射による視野計測を視野内の一経線上ではあるが定量的に計測し,その事実を実証している。これらの研究はすべて細隙灯などの通常の光学系に頼り,手技上多くの煩雑さがあつた。われわれは赤外線テレビジョンを使用することにより,容易に全視野にわたる対光反射による視野計測を行ないうる装置を考按し,臨床例にて十分な成績を得た。
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