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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
無核白内障(軟性白内障)の吸引法における術式と合併症との関連について
著者: 田中靖彦1 小林彰雄1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.525 - P.531
文献購入ページに移動無核白内障(軟性白内障)に対する吸引法は,昭和34年に本邦で初めて桑原教授が紹介して以来,比較的手術操作が容易であり,安全で,患者の負担も少なく,また忌むべき合併症も少ないなどの多くの利点から,最近では広く無核白内障に対し利用できる優れた方法として,わが国でもここ10年来,その症例数が年々増加の傾向にある6)7)9)。
当教室においても,昭和37年以来,無核白内障に対し,routineに吸引法が行なわれてきたが,この間桑原教授は,漸次術式に工夫改良を加え,現在までに術式に関し,三つの時期的変遷を見ることができる。今回昭和37年4月より,昭和44年3月までの7年間に,無核白内障に対し,これら3期の各術式で水晶体吸引を行なつた124例145眼につき,合併症を中心に統計的分析を試み,あわせて各種の臨床所見につき,術式別に比較検討したので,ここに報告する。
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