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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
トキソプラスマによるbrawny scleritisの1症例について
著者: 徳田久弥1 岡村良一2 釜野久枝2
所属機関: 1杏林大学 2熊本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.565 - P.571
文献購入ページに移動Schlodtmann1)の命名によるSultzige Scleritisは予後の不良な強膜炎としてしられ,わが国では膠様強膜炎とよばれているが,欧米ではその形状からbrawny sc—leritisとして記載されているようである。しかしブドウ膜炎をともない両眼に発生するこのbrawny scleritisについて詳細に報告したもの,とくに病理組織学的に詳しく記載したものはわが国では皆無である。このbrawnyscleritisは原困がいまだ不明であり,そのため結核,梅毒,膠原病などとの関係がとりあげているが,今回われわれはトキソプラスマによると考えられる非常にまれな症例に遭遇し,本症の原因に一つの光明を与えたものと思うので,ここに報告する。
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