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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集(その5)
網膜剥離手術後にみられる黄斑部皺襞形成について
著者: 福地悟1 坂上英1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.667 - P.680
文献購入ページに移動網膜剥離手術の目的は,単に剥離せる網膜を解剖学的に復位させるだけでなく,機能的な回復を目差していることはいうまでもない。とりわけ,中心視力,すなわち黄斑部の機能の回復を重要視するがゆえに,周辺部の視野を時には犠牲にしてまで,黄斑部の網膜の復位と機能回復を計るのである。ところが最近われわれは,網膜剥離を手術によつて一旦完全に復位せしめ,良好な視力をえたにもかかわらず,数週ないし2〜3カ月を経て,徐々にあるいは急速に黄斑部に著明な皺襞形成,周囲血管の蛇行,黄斑部偏位などの変化をきたし,視力が著しく低下した6名の症例を経験した。
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