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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科24巻8号

1970年08月発行

臨床実験

高血圧患者における眼底血管の態様について(II)—血圧左右差と眼底所見について

著者: 北田元幸1

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1057 - P.1062

文献概要

I.緒言
 前篇においては網膜血管分岐部のTu型分岐が正常血圧者においても血圧的,年齢的変動に応じてその数などにおいて変化をきたすのみならず高血圧患者においては,さらにそのTu型分岐が血圧的,年齢的変動に加えてKeith-Wagenerの分類などの中にも微妙な立場をとりつつ関連性を示すことなどについて論じ,有意義な結果を示したことを述べ,今後高血圧患者のKeith-Wage—nerの分類などの判定にこれらのTu型分岐をも加味して検討するのが意義があると思われる点などについて述べたが,さらに高血圧患者で両眼についてその眼底所見を検索していくと,両眼の侵襲程度が左右同程度のものももちろんあるが,必ずしも同程度でなく,1眼にはKeith-Wage—nerの分類やScheieの分類などにおいて第3群のごとき変化を示すものでも,他眼にはそれほど変化がなく,第1群とかあるいは全く高血圧性変化や細動脈性変化のない者などに遭遇することは,しばしばわれわれの経験するところである。かような場合にはいかに説明したら良いか,またその判定にはより変化のある方の1眼をもつて全身状態,ひいては予後を判定するか判断に苦しむ場合が少なくない(第1〜4図)。
 この両眼の不一致の現象をいかにみるかについて前項で述べたTóthはここでもまた,これら左右の所見の差について報告しているのを知る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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