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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻1号

1971年01月発行

文献概要

特集 網膜と視路の電気生理

ブドウ膜炎の臨床電気生理

著者: 渡辺郁緒1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.29 - P.36

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I.はじめに
 ブドウ膜炎はわが国眼科医が日常診療に頻々と遭遇し,その治療の良否,治療開始時期等が失明にも連なる重要な疾患である。ブドウ膜炎の病因に関しては,現在なお不明な点を多々残しているが,病理的な面では,古来多くの報告により明確にされつつある。最近また螢光眼底撮影法の発達により,病巣の時間的経過をとらえることが可能となり,ブドウ膜炎の病態生理の解明,早期発見,および鑑別診断に重要な役割をなしていることは周知のごとくである。
 ERGはその起源は現在のところ不明な点を残している。網膜疾患,特に変性症の鑑別診断に重要な役割をなしているが,ブドウ膜炎においては,さほど重要な診断手技とは考えられない。解剖学的には,網膜外層が脈絡膜より栄養保給を受けていることは明白であり,ブドウ膜の疾患でその変化が網膜に及ぶことも周知の事実である。実験ブドウ膜炎の電気生理的な研究も数多く報告されているが,今回は紙面の制限もあり臨床のブドウ膜炎についてのみ述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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