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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻1号

1971年01月発行

文献概要

特集 網膜と視路の電気生理

局所ERGについて

著者: 本田孔士1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.43 - P.49

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I.局所ERGということの意味
 網膜を広がりのある膜面としてとらえ,その奥ゆき(厚さ)を光覚機序の作業の場とすれば,その面としての機能に興味をもつ者がいて不思議はない。したがつて,形態学者が,その面としてのmacro的な位置づけから出発して,光顕,電顕によつてその局所特異性を比較吟味する一方において,機能学者も当然のことながら,この網膜の横への広がりの意味を追求する。これは,非常に広範な世界であるが,電気生理学的アプローチも有力な手段にちがいない。そして,電気生理学的なこの分野の研究は,あまりコミュニケーションのないまま,それぞれ育つてきたいくつかの分野に分け得る。一つは生理学者によるmicro的な網膜の平面的局所機能追求であり,他の一つはまた別な生理学者や眼科医によつて論ぜられてきたmacro的な局所機能論である。華者は,この二つを,その研究の発想,成果などからして,一応区別して考えた方がよいと思う。そして,筆者にここで書くことを命ぜられた分野は,その後者と思うが,一応,他の一方の分野を垣間みておくことはむだではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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