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特集 網膜と視路の電気生理
新しいERG要素とその臨床応用
著者: 河崎一夫1 米村大蔵1
所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.65 - P.73
文献購入ページに移動 Early receptor potential (ERP)の発見22)23)(1964年)に端を発し,強い刺激光によるERGの研究は以来急速に展開された.これは,従来のERGを手段としては立ち入ることが困難であつた網膜の電気現象と視物質の光化学との関係の探求という新分野を開拓し27)23)30)65)66)68)69),さらにERP以外の2,3の新電位の発見の契機をもたらした1)3)6)7)9)10)17)20)21)29)31)33)35)36)46)48)50)55)58)59)61)67)95)96)。本綜説では,ERPおよび強い刺激光により生ずる他の迅速な電位(ここでは,これらの電位とERPとを包括して,早期電位early potentialと仮称する)に関し,これまでの動物とヒトでの知見を記し,あわせて,人眼ERGの緩徐な電位に関し最近われわれが得た知見を略記したい。
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