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特集 網膜と視路の電気生理
EOGの臨床的意義
著者: 永谷忠1
所属機関: 1山口大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.75 - P.80
文献購入ページに移動I.はじめに
眼球の静止電位は,1849年Du Bois Reymondにより,眼球両極間の電位差としてはじめて記載された。しかし誘導電極の分極,あるいは直流増幅器の安定などの技術的な問題があり,この電位をヒトの眼から直接記録することは非常にむずかしく,網膜機能検査として臨床に利用するまでには至らなかった。
眼の内,外眥部近くの皮膚上に電極を置き,一定の速度および振幅で眼球の水平運動を行なうと,角膜極に近い方の電極が陽極になり,眼球運動とともに鋸歯状の波形が記録され,その振幅は眼球の静止電位に関係する(Mowrer et al.25)1963)。この波の記録は二ヵ所の電極部の比較的速い(特に眼球静電位変動に比較すると)電位変動をしらべることになり,安定のよいRC増幅器の使用が可能であるから,誘導電極の分極にあまり気をくばらなくてよい。
眼球の静止電位は,1849年Du Bois Reymondにより,眼球両極間の電位差としてはじめて記載された。しかし誘導電極の分極,あるいは直流増幅器の安定などの技術的な問題があり,この電位をヒトの眼から直接記録することは非常にむずかしく,網膜機能検査として臨床に利用するまでには至らなかった。
眼の内,外眥部近くの皮膚上に電極を置き,一定の速度および振幅で眼球の水平運動を行なうと,角膜極に近い方の電極が陽極になり,眼球運動とともに鋸歯状の波形が記録され,その振幅は眼球の静止電位に関係する(Mowrer et al.25)1963)。この波の記録は二ヵ所の電極部の比較的速い(特に眼球静電位変動に比較すると)電位変動をしらべることになり,安定のよいRC増幅器の使用が可能であるから,誘導電極の分極にあまり気をくばらなくてよい。
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