icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻1号

1971年01月発行

文献概要

臨床実験

実験的アレルギー性角膜炎とグルタチオンについて

著者: 本多捷郎1

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.101 - P.115

文献購入ページに移動
緒言
 グルタチオン(GSH)は1888年フランスのDeRey-Pailhdeにより発見されたが,1921年Hop—kinsにより再発見されるまで,その存在は忘れられていた。Hopkinsは酵母,肝臓その他の生体組織よりGSHをとりだすことに成功し,その後彼はGSHを結晶として取りだし,第1図に示すようなγ—L-Glutamyl-L—Cysteinyl-Glycineの3個のアミノ酸より成るtripeptideであることを明らかにした。
 GSHは動植物,微生物の間に広くしかも大量に存在することより,その生理的,生化学的機能はなにか重要なものであると推察されるが,確定的なことはいまだ不明な点が多い。主として還元型(GSH)で存在することが特徴であり,みずから還元型(GSH),酸化型(GSSG)の間を相互に転換し生体酸化に関与している。これはSH基による酸化還元反応であるが,このほかGSH作用として,(1) SH酵素またはその他の細胞成分の保護あるいは不活性化,(2)いくつかの酵素の助酵素的な役割を果し,(3)メルカプシール酸生成およびその他の解毒作用への関与,(4)細胞分裂,細胞の増殖などにおけるなんらかの役割等が認められている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?