文献詳細
第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
文献概要
1.魚鱗癬と角膜混濁について
赤羽 信雄(群馬大)
魚鱗癬の眼合併症,特に角膜深部の混濁の報告はきわめて少ない。
演者は43歳および6歳の男子,ならびに本症の多発している家系の22歳,33歳,45歳の男子の角膜深部に混濁を認めた。病変は主としてDescemet膜にあるが,症例によつては内皮または固有質の一部にも及んでいる。混濁の形態はおおむね微細斑点状,一部は絡み合つた糸屑状であつて,びまん性に散在している。これに対して演者は,仮にDystrophia multiformis profundacorneaeと命名した。34歳の1例には眼圧の上昇があり,しかも皮膚症状の季節的変動と眼圧との間に,多少の関連性が証明された。以上の角膜病変は単なる偶然の合併ではなく,原因として遺伝的ならびに先天的な内分泌障害が想像され,細隙灯顕微鏡で注意深く観察すれば,決して稀なものではないと考える。
赤羽 信雄(群馬大)
魚鱗癬の眼合併症,特に角膜深部の混濁の報告はきわめて少ない。
演者は43歳および6歳の男子,ならびに本症の多発している家系の22歳,33歳,45歳の男子の角膜深部に混濁を認めた。病変は主としてDescemet膜にあるが,症例によつては内皮または固有質の一部にも及んでいる。混濁の形態はおおむね微細斑点状,一部は絡み合つた糸屑状であつて,びまん性に散在している。これに対して演者は,仮にDystrophia multiformis profundacorneaeと命名した。34歳の1例には眼圧の上昇があり,しかも皮膚症状の季節的変動と眼圧との間に,多少の関連性が証明された。以上の角膜病変は単なる偶然の合併ではなく,原因として遺伝的ならびに先天的な内分泌障害が想像され,細隙灯顕微鏡で注意深く観察すれば,決して稀なものではないと考える。
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