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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻11号

1971年11月発行

臨床実験

人角膜移植免疫反応の組織所見

著者: 弓削経夫1 根来良夫1 島田信夫2

所属機関: 1京都府立医科大学眼科学教室 2京都府立医科大学臨床病理部

ページ範囲:P.2151 - P.2155

文献概要

緒言
 角膜移植は,すでに眼科臨床で次第に普遍的な手術の一つとなりつつあるが,その適応や予後の予測など,尚未解決の問題を多くかかえている。中でも移植角膜片の混濁には,大きな関心がよせられ,その原因の究明について,移植免疫反応に関する数多くの実験がなされており,臨床的にもそのように解釈し得る点が多くあるにも拘わらず,人においては,移植免疫反応であるという確証が得られることは稀で,特に病理組織学的には,移植免疫反応による所見を得られない報告が多くみられる。
 今回私達は,角膜移植後移植片が混濁したため再移植を行ない,その際得られた角膜片について,臨床的のみならず,病理組織学的にも移植免疫反応によるものと推測された2例と,臨床的には移植免疫反応と推測されたにも拘わらず,病理組織標本では何ら炎症性変化を示さなかつた1例について報告し,人の角膜移植においても,移植免疫反応の存在について改めて強調したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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