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文献概要
臨床実験
ステロイド緑内障と思われる1症例の剖検所見
著者: 佐野豊子1 宮田ユキ1
所属機関: 1国立療養所中野病院眼科
ページ範囲:P.153 - P.160
文献購入ページに移動緒言
Steroid hormon (ステロイドと略す)が,高眼圧を発生する機序については,臨床医学的に,また病態生理学的に,種々の研究が行なわれている。しかしその昇圧機転に関しては,流出抵抗の増加が認められているが,それのみでは解決されず,他方,房水産生の代謝異常に関しても,種々の研究がなされているが,いまだ統一をみないようである。また一方,遺伝的素因についても解明されなければならない問題が多々残つているようである。
われわれは今回,リウマチ性肺炎(剖検でハンマンリッチ症候群と判明)で3年間ステロイドを経口投与した結果,眼圧上昇をきたした症例に遭遇した.その症例はステロイドを減量すると眼圧が下降するが,全身状態悪化のためにステロイド投与量を増量するとまた眼圧が上昇するという悪循環をくり返し,ついに視力10cm手動となつた。その隅角所見を組織学的に検索する機会を得たので,ここに報告する。
Steroid hormon (ステロイドと略す)が,高眼圧を発生する機序については,臨床医学的に,また病態生理学的に,種々の研究が行なわれている。しかしその昇圧機転に関しては,流出抵抗の増加が認められているが,それのみでは解決されず,他方,房水産生の代謝異常に関しても,種々の研究がなされているが,いまだ統一をみないようである。また一方,遺伝的素因についても解明されなければならない問題が多々残つているようである。
われわれは今回,リウマチ性肺炎(剖検でハンマンリッチ症候群と判明)で3年間ステロイドを経口投与した結果,眼圧上昇をきたした症例に遭遇した.その症例はステロイドを減量すると眼圧が下降するが,全身状態悪化のためにステロイド投与量を増量するとまた眼圧が上昇するという悪循環をくり返し,ついに視力10cm手動となつた。その隅角所見を組織学的に検索する機会を得たので,ここに報告する。
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