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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科25巻4号

1971年04月発行

雑誌目次

特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その1)

螢光眼底撮影法による糖尿病性網膜症の観察(第4報)

著者: 茂木劼 ,   山上磐 ,   魏昭博 ,   尾形安三

ページ範囲:P.1199 - P.1200

 現在われわれは糖尿病性網膜症における螢光眼底所見の推移を,Scott分類の各群別について検索中であるが,今回はScott Ⅱ群とⅢ群について得られた結果を報告する。
 対象は虎の門病院内分泌科専門外来および入院の糖尿病患者で,検眼鏡的所見,カラー写真と螢光眼底写真を対比して,眼底所見を検討した。眼底の撮影部位は両眼乳頭周囲および乳頭の上下,黄斑部および黄斑部の上下6カ所に限定して行なつた。

特別講演

水晶体の老化と初発老人白内障の細隙灯診断

著者: 大橋孝平

ページ範囲:P.1033 - P.1049

I.白内障診断としての細隙灯検査法
 細隙灯はゴールドマン900の16〜25倍を主に使用。患者の瞳孔はミドリンで十分に散瞳させ,光線は強光の狭細隙と弱光またはフィルターを入れた広細隙の2種を使い分けるが,一番大切な事は検者の眼に問題があるといえる。
 先ず少しく暗室内で暗順応になれてから検査するが,通常の光学的不連続帯の縞模様Stripeを検査するには光線は向かつて左より入れて(右眼),光断面法を行なう。即ち,散瞳内に左方より50〜60度の傾斜角で照明して,これを正面より少しく眼を閉じていてから暗順応を待つて観察することである。これによれば非常に微小の混濁やStripeもよく判定が出来るから,視野は左より右へと辷らせつつ深度のピントを合せ直して隈なく横に精査し,まれに他の径線を使用する。その他,縫合系や小混濁の逆光線法には30度法を行ない,これは30度で後嚢または眼底よりの反射光でシルエットを見れば微細の変化もよく判るし,更に後述する水晶体年齢LSの判定にも30度法を行なうのがよい。その他必要によつては45度法の鏡面反射法,間接照明法を行なう。

学会原著

微小角斜視について—文献的考察と諸種検査成績

著者: 渡辺好政 ,   岡部史朗 ,   森礼子 ,   田中通子 ,   増田勝子

ページ範囲:P.1051 - P.1064

緒言
 微小角の偏位をもつ斜視は,その偏位の小さいことの他に,多くの特徴をもつことが知られている。この種の斜視に対する名称は十指以上を数えており,このこと自体が,本症の多様性を物語つている。斜視,弱視の領域の代表的な教科書においても,その取扱いがまちまちであり,一層の混乱を惹起している感がある。私共は微小角偏位をもつ斜視の症例を検討する機会を得たので,その各種検査成績を述べ,更に,文献的な考察を加えて,本症の由来,成因,臨床的意義を明らかにせんとした。

Accommodo polyrecorder (HS−9)による調節機能の一測定法とその2,3の応用

著者: 鈴村昭弘 ,   谷口正子

ページ範囲:P.1065 - P.1071

緒言
 調節機能をその時間的面よりとらえ,解析しようとする試みは,すでに多くの研究者によつて行なわれ,ここにあらためて紹介するまでもない。萩野・鈴村は自記眼精疲労計を試作し,これが近時増加のみられる調節機能の異常を訴える者の診断及び経過の観察などに有用なることは報告した。しかしながらその取扱い,大きさなどにおいてなお必ずしも簡易ではなかつた。そこで昨年の本学会において発表したごとく,その簡易型の試作を試み,これをAccommodo polyrecorder (H—S−9)と名付け,本装置による実験成績を報告した。今回は更にこの装置の特徴でもある遠方視標の距離を変化せしめうる点を利用し,遠方視標位置を逐次遠くし,連続測定を行ない,その時間変化の傾向から調節機能の状態を知ろうと試みた。一方,筆者らは従来よりTellevisionと目との関係について検討してきたが,カラーテレビジョンの普及の現状から考え,これが目への影響について再び検討する必要性を感じ,この方法によるTellevisionの調節機能への影響,ひいては目の疲れに対する影響について検討を試みた。

全外眼筋麻痺のみられたGuillain-Barré症候群の1小児例について

著者: 古謝将昭 ,   山下龍雄

ページ範囲:P.1073 - P.1077

緒言
 Guillain-Barré症候群にみられる全外眼筋麻痺は稀で,通常成人にみられ,小児の例は極めて少ない。われわれはこのたび8歳女子の1症例を経験したので,ここに報告する。

鼻涙管再成術について

著者: 三宅正夫

ページ範囲:P.1079 - P.1094

緒言
 慢性涙嚢炎,鼻涙管閉塞症及び狭窄症の手術療法には従来より色々な方法が報告されている。
 1968年以来,著者は本来の涙道を利用する術式「鼻涙管再成術」(森田)1)を試みてきた。その成績の一部は既に報告1)したが,その後症例を重ね,現時点における手術方法(鼻涙管再成術)をほぼ確立した。術後の成績は臨床的にほぼ満足出来るので,その成績と,その後の新しい知見をあわせてご報告したいと思う。

眼科手術患者の術前における結膜嚢細菌培養成績と抗生物質の影響について(第1報)—Cephaloridine (Keflodin, Shionogi)点眼の効果

著者: 檜垣忠尚 ,   阪本善晴

ページ範囲:P.1095 - P.1101

緒言
 眼科手術,ことに眼内手術において,術後の感染予防の重要なことはいうまでもないところであり,この目的に,古くから抗生物質の全身的ならびに局所的投与が行なわれて,多大の効果を発揮している。
 今回,私共は,手術前に感染予防のために抗生物質を局所的に投与し,その前後の結膜嚢内の細菌培養を行ない,投与前健常結膜嚢内に存在した菌が,投与後にいかなる消長を示すかを探究する目的で検索を行なつた。このような試みは,私共の調査した範囲内では,他にみられないようである。点眼に使用する抗生物質の選択にあたつては,教室の上江田ら1)が先に発表した成績を参照して,数多い抗生物質の中からまずcephalori—dineを選び使用に供した。

2,3の上皮性角膜ジストロフィーについて

著者: 涌井嘉一 ,   小森谷寿美子 ,   林恵美 ,   水落笙子 ,   加藤忍 ,   田淵祥子

ページ範囲:P.1103 - P.1123

緒言
 成年に達する以前に発症するらしい角膜の上皮性の退行変性(ジストロフィー)には,Meesmann型,Kraupa型,などがあり,これにThygeson型点状表層角膜炎(Thygeson型角膜炎と略す),再発性角膜上皮剥離症,および著者らの観察し追加する微小点状上皮性角膜ジストロフィー(仮称)なども含まれると思われる。これらの病型の中から観察の機会のあつた2,3の上皮性ジストロフィーについて述べ,それらと樹枝状角膜炎の初期像との細隙灯所見における鑑別診断について言及したい。尚,今回述べる組織所見は,燐酸緩衝ホルマリン液中に保存した標本より再固定を行なつて電子顕微鏡(電顕と略す)用の標本を作製したために鮮明な電顕所見を得ることが出来なかつたが,貴重な人眼標本であるため,精度の許す範囲の所見について記載しようと思う。

網膜色素上皮剥離について

著者: 盛直之

ページ範囲:P.1125 - P.1132

緒言
 1967年Gass1)がdisciform macular dege—nerationに属する諸種の疾患に,網膜色素上皮剥離(以下PEDと略す)を認め,特に漿液性中心性網脈絡膜炎(以下中心性網膜炎と略す)の発生,病理に大きな役割を演ずることを発表して以来,極めて重要な眼底所見として注目されるようになつた。
 PEDは中心性網膜炎のように上部の網膜組織に強い滲出性変化が存在すると,透見困難な場合があるが,上部の網膜に変化が少ない場合には,通常の直像鏡検査で容易に発見出来るものである。

Behçet病の併発白内障に対する手術のこころみ

著者: 小暮美津子 ,   原弘子 ,   小林加世子

ページ範囲:P.1133 - P.1141

緒言
 Behçet病の視力に対する予後は非常に悪く,文献的に考察すると,失明率は信州大学の後半(1958〜1966年)の77.7%を除いては30%から40%で,失明にいたる平均期間は5〜6年である1)〜4)
 失明の直接原因2)4)は続発緑内障がすべての統計で一番多く,ついでブドウ膜炎,眼球癆,併発白内障の順になつており,併発白内障は失明の原因の約15%をしめている(第1,2表)。

アレルギー性ブドウ膜炎に対するヨード結合レシチンの作用について

著者: 大岡良子 ,   河本道次 ,   菊池信彦 ,   有本秀樹

ページ範囲:P.1142 - P.1150

緒言
 ブドウ膜炎は古くより種々の治療が試みられているにも拘らず,眼疾患としては現在に至る迄適切な治療方法が確立されておらず,失明の転帰をたどる患者の多い現状である。
 今回著者らはブドウ膜炎に対するヨード剤の効果について,微量のヨードが網膜の新陳代謝を促進するという考え方から更に一歩進んで,ヨード結合レシチンの形態をもつJolethinをヨード剤としての効果と,その抗体産生抑制作用より併せ考察し,実験的並びに臨床的ブドウ膜炎に対し,Jolethinの大量投与による臨床的経過と共にERG記録による観察を行ない,いささかの知見を得たのでここに報告する。

脈絡膜悪性黒色腫の種々相

著者: 青木平八 ,   田島幸男 ,   猿谷繁 ,   助川勇四郎 ,   岡野正 ,   佐藤和雄

ページ範囲:P.1151 - P.1156

緒言
 周知のごとく悪性黒色腫は,メラニンを産生する細胞の悪性増殖によつて生じ,転移を起こしやすく,予後不良の腫瘍であつて,眼科領域では眼瞼,結膜,虹彩毛様体,脈絡膜,眼窩,視神経などに発生する。脈絡膜のそれは視力障害を主訴として始まることが多く,網膜剥離,緑内障,孤立結核などと誤診されやすい。
 私共は,過去20年間に当科を訪れた脈絡膜悪性黒色腫の6例において,臨床的ならびに組織学的に種々の異なつた所見を認めたので,その概要を報告する。

原爆白内障の臨床所見の推移と被爆放射線量について

著者: 杉本茂憲

ページ範囲:P.1157 - P.1161

緒言
 余は先に原爆白内障に関する研究課題の重要項目中に,水晶体混濁の形態的(臨床的)変遷の追及,乃至被爆放射線量の研究を掲げた。
 依つて長期に亘つて観察を続けている実験症例において,これ等の項目につき研究を行ない得たので,ここに報告する。

白内障手術における術前術後のトノグラフィーの変動

著者: 後藤保郎 ,   藤原登美 ,   中村好邦 ,   百瀬隆行

ページ範囲:P.1163 - P.1170

緒言
 白内障手術に際し,我々の最も注目,警戒すべき合併症は,続発する緑内障であると断言して憚からない。何となれば,白内障手術後の失明に頻する重篤な合併症には種々あるが,これを列挙すれば次の通りである。
 即ち,細菌感染,真菌症による眼内炎,術前の前病歴から,又手術時の過度の刺激によるブドウ膜系疾患,網膜剥離,角膜浮腫を主体とする角膜内皮細胞障害等の角膜合併症,創間よりの結膜上皮前房内増殖,更にこの続発性緑内障等である。これらの結果,失明に至る最終的段階は一つは眼球癆であり,一つは眼圧上昇の結果の視神経萎縮である。而して続発性緑内障を除く他の原因は,比較的明らかである場合が多い。従つて,その予防対策もたてやすい。またその対策不十分な時は場合によつては,医師の責任を問わるべきものもある。

キモトリプシンによる白内障全摘出術に関する臨床的研究(第1報)—老人性白内障における手術成績について

著者: 田中直彦 ,   桝田英郎 ,   荻野紀重 ,   大熊篤二

ページ範囲:P.1175 - P.1181

緒言
 α—chymotrypsin (以後chと略)を用いたチン氏帯の酵素離断による白内障全摘出術は,Barraquer,J.により創始され,1958年に発表され,著者の一人田中もこの酵素離断に関して幾つかの基礎的並びに臨床的報告をしてきた1)〜6)
 当教室に於て本法を常用し始めてから,ほぼ10年以上を経るに至り,その間,chの使用濃度,手術方法,或いは後療法に多少の変遷をみたので,現在著者らが標準化して行なつている方法によつてch使用例(ch例と略)とchを用いず機械的断帯のみによる手術例(非使用例と略)の臨床成績を改めて比較検討することにした。尚,術後成績については,比較的早期の成績と共に遠隔成績をも検討することが必要であるが,本稿では比較的早期である術後1カ月までの成績について検討し遠隔成績については別に報告することにする。

脈絡膜悪性黒色腫のP32による1診断症例

著者: 田川貞嗣 ,   大川忠 ,   須田義雄 ,   室谷光三

ページ範囲:P.1183 - P.1186

緒言
 脈絡膜悪性黒色腫の疑われる1症例にP32テストを行ない,陽性結果を得たので同眼を摘出した。病理組織検査の結果では,CallenderのS—pindle B typeの腫瘍細胞が大部分を占める脈絡膜の悪性黒色腫であつた。

網膜剥離手術後における黄斑部異常所見例の検討

著者: 三島恵一郎 ,   津田寅雄 ,   白井彰 ,   高久功

ページ範囲:P.1187 - P.1198

緒言
 われわれは最近,網膜剥離手術後に網膜は復位しているに拘らず,突然黄斑部に皺襞を生じ,変視症,視力低下をきたす症例を数例経験した。外国ではこれらをPostkoagulative Ma—culadegeneration1),Sternfaltenretinitis2),Postkoagulative und internoretinale Fibro—plasie mit Maculadegeneration3),Macularpucker4)などと称し,わが国では福地,坂上が網膜剥離手術後にみられる黄斑部皺襞形成として報告している。しかし,このような変化は,網膜剥離手術後や予防的光凝固後のみでなく,特発的に発生することも知られているが,未だその原因については不明な点が多く,定義自身も明確にされていない。
 したがつて,われわれはいわゆる網膜剥離手術後の黄斑部皺襞形成例とこれに類似した黄斑部異常所見例を比較検討し,その成因ないし,その他の黄斑部異常所見との関連につき検討を行なつた。

中心性網膜炎の螢光眼底所見について

著者: 吉岡久春 ,   杉田隆 ,   永吉寛治

ページ範囲:P.1201 - P.1207

緒言
 近年,検眼鏡的にみられる黄斑部浮腫が,黄斑部網膜剥離によるもの,黄斑部網膜色素上皮剥離によるもの,黄斑部網膜硝子体癒着の牽引によるもの,黄斑部網膜内面の収縮によるもの,及び黄斑部網膜自身の浮腫によるものなどによつて起こることが明らかにされた6)。これらのうち,黄斑部網膜自身の浮腫による黄斑部浮腫は,その特有なる細隙灯所見及び他の原因による黄斑部浮腫と区別するために,外国では嚢腫様黄斑部浮腫(cystoid macular edema)1)3)4)8)という名称で呼ばれている様である。この嚢腫様黄斑部浮腫は,糖尿病性網膜症,網膜中心静脈閉塞症,高血圧性網膜症などのさいしばしばみられるのは周知の通りであるが,その他,周辺性ブドウ膜炎,コーツ病,放射線照射後の網膜症,慢性硝子体炎などの眼病の他,白内障,緑内障或は網膜剥離手術後などにも見出されることがある2)3)5)8)。われわれは,このような眼病が全くなく,また外傷の既往もなく特発性に嚢腫様黄斑部浮腫をきたす状態を中心性網膜炎という名前で呼んだ。
 従来このような中心性網膜炎については殆んど注目されておらず,本症に関する文献はきわめて少ない。

未熟児網膜症の急速な増悪と光凝固

著者: 上原雅美 ,   服部吉幸 ,   塚原勇

ページ範囲:P.1209 - P.1215

緒言
 未熟児網膜症は,われわれの1967年3月から1970年6月迄の3年3カ月,262例の観察では9.2%の頻度で発生している(第1表)。その大部分は軽症であり,重篤な後遺症を残さず自然に治癒してゆく。しかし一部少数例には進行性のものもあり,かかる症例の自験例2例,他の病院から紹介された3例について,永田1)の提案に従つて光凝固を行なつたので報告する。

黄斑裂孔の螢光像

著者: 長谷川康紀 ,   平光忠久 ,   三宅謙作

ページ範囲:P.1217 - P.1221

緒言
 黄斑裂孔の螢光像に関しては,従来より「裂孔に一致して均一の微細顆粒状の螢光をみる」という表現にて記載され,事実そのような形のものが多い1)〜3)。しかし必ずしも一様ではなく,螢光のごくうすいもの,まだらなもの,あるいは螢光をまつたく欠くものなどがあることが指摘されている4)〜6)。私たちは老人性自発裂孔および比較的若年の外傷性裂孔の螢光像を検討し,いかなる要素が黄斑裂孔の螢光像に影響するかを考察し,また問題となつている黄斑部のmacular dark spotに関しても一部ふれてみたい。

第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion

高血圧・眼底血圧

ページ範囲:P.1243 - P.1248

高橋 茂樹(弘前大)
1.高血圧自然発症ラット(SHR)の脳出血例における眼底所見
 SHRの脳を病理組織学的に検索し,99頭中34頭に脳出血を認めたので,眼底所見と脳出血との関連性について検討を行ない,次の結果を得た。
1)血圧上昇の高度のものに脳出血が多発する傾向がある。

角膜移植

ページ範囲:P.1249 - P.1253

江口甲一郎(江口限科病院)
多田 桂一(江口眼科病院)
藤岡 敏彦(藤岡眼科医院)
吉田 玄雄(五稜郭病院眼科)
1.地方都市に於ける角膜移植手術及び眼球銀行活動の現況
 人口25万の一地方都市である函館において,眼科開業医と老人ホームとが主体となり,函館眼協力会を設立して満9年を経過,見るべき成果をあげたので報告する。
 献眼登録者数439名,眼球提供者56名,登録者7人に1人の提供は非常に高い提供率である。提供者中46名は老人ホーム,10名は一般の方である。

近視

ページ範囲:P.1255 - P.1257

 本年の近視グループディスカッションは,テーマを偽近視に絞つて行なつた。寄せられた演題は7題であつたが,第1席は病欠され,第6席および第7席は時間の関係で,発表,討論を行なうことができなかつた。
 病欠された第1席を除いて,第2席から第5席までの発表,討論の内容と,折角用意されながら時間がなかつたために発表できなかつた第6席と第7席の各演者から提出された内容要旨を以下に紹介する。

連載 眼科図譜・162

原爆白内障の臨床的推移

著者: 杉本茂憲

ページ範囲:P.1029 - P.1030

〔解説〕
患者:♀昭和5年5月7日生(原爆被爆時15歳3カ月)
 被爆距離:750m。爆心方向に向かつていた電車の運転台の横に立つていた。光を感じて意識不明。気が付いた時は電車を降りていた。顔面,胸部,上肢部の火傷,硝子傷。

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日本臨床眼科学会規程

ページ範囲:P.1172 - P.1172

(組織)
 第1条日本臨床眼科学会(以下「本会」という)は,日本眼科学会及び日本眼科医会の会員を以つて組織する。

臨床実験

糖尿病性網膜症の臨床的観察—アドナ(AC−17)の使用経験

著者: 山本隆朗

ページ範囲:P.1223 - P.1227

緒言
 糖尿病性網膜症に種々薬剤を使用し,その効果を観察して,本誌上にもデキストラン硫酸1),ビタミンB1B6B12複合内服剤2),筋注用ビタミンB1B6B12製剤3),血管拡張剤4)の使用を報告したが,今回は血管強化作用と止血作用を有するアドナ(AC−17)を使用したのでその結果を報告する。

学会原著

眼精疲労治療剤の薬効検定

著者: 小山信一 ,   雨宮次生 ,   大熊正人 ,   吉田秀彦 ,   足立啓 ,   斧田大公望

ページ範囲:P.1229 - P.1240

緒言
 今日の科学文明の発展に伴う現代社会の複雑化は,公害問題をはじめとする環境の悪化,加うるに情報量の過度の増大,社会的な倫理観,価値観の混乱による精神的環境の悪化をきたし,眼精疲労患者は増加複雑化しつつある。この眼精疲労の原因,分類,治療等についてはすでに多くの研究,考察がある。
 今回我々は,ビタミンB群+E (E−319)の混合薬剤を眼精疲労患者に対して投与して,その薬効を二重盲検法をもつて推計学的に考察したのでその結果を報告する。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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