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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻4号

1971年04月発行

文献概要

特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 特別講演

水晶体の老化と初発老人白内障の細隙灯診断

著者: 大橋孝平1

所属機関: 1慈恵医科大学眼科

ページ範囲:P.1033 - P.1049

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I.白内障診断としての細隙灯検査法
 細隙灯はゴールドマン900の16〜25倍を主に使用。患者の瞳孔はミドリンで十分に散瞳させ,光線は強光の狭細隙と弱光またはフィルターを入れた広細隙の2種を使い分けるが,一番大切な事は検者の眼に問題があるといえる。
 先ず少しく暗室内で暗順応になれてから検査するが,通常の光学的不連続帯の縞模様Stripeを検査するには光線は向かつて左より入れて(右眼),光断面法を行なう。即ち,散瞳内に左方より50〜60度の傾斜角で照明して,これを正面より少しく眼を閉じていてから暗順応を待つて観察することである。これによれば非常に微小の混濁やStripeもよく判定が出来るから,視野は左より右へと辷らせつつ深度のピントを合せ直して隈なく横に精査し,まれに他の径線を使用する。その他,縫合系や小混濁の逆光線法には30度法を行ない,これは30度で後嚢または眼底よりの反射光でシルエットを見れば微細の変化もよく判るし,更に後述する水晶体年齢LSの判定にも30度法を行なうのがよい。その他必要によつては45度法の鏡面反射法,間接照明法を行なう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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