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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
2,3の上皮性角膜ジストロフィーについて
著者: 涌井嘉一1 小森谷寿美子1 林恵美1 水落笙子1 加藤忍1 田淵祥子1
所属機関: 1東京大学医学部分院眼科
ページ範囲:P.1103 - P.1123
文献購入ページに移動成年に達する以前に発症するらしい角膜の上皮性の退行変性(ジストロフィー)には,Meesmann型,Kraupa型,などがあり,これにThygeson型点状表層角膜炎(Thygeson型角膜炎と略す),再発性角膜上皮剥離症,および著者らの観察し追加する微小点状上皮性角膜ジストロフィー(仮称)なども含まれると思われる。これらの病型の中から観察の機会のあつた2,3の上皮性ジストロフィーについて述べ,それらと樹枝状角膜炎の初期像との細隙灯所見における鑑別診断について言及したい。尚,今回述べる組織所見は,燐酸緩衝ホルマリン液中に保存した標本より再固定を行なつて電子顕微鏡(電顕と略す)用の標本を作製したために鮮明な電顕所見を得ることが出来なかつたが,貴重な人眼標本であるため,精度の許す範囲の所見について記載しようと思う。
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