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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
Zeiss-Zoom式手術顕微鏡の改造と従来の手術顕微鏡との比較
著者: 杉田慎一郎1 杉田雄一郎1 山田寿一1 山崎みきこ1
所属機関: 1杉田病院
ページ範囲:P.1305 - P.1310
文献購入ページに移動著者の見聞の狭さかもしれないが,我国に於いて顕微鏡を用いてする手術法は,未だ比較的揺籃期にある様に思われるけれども,欧米諸国,特にアメリカでは最近数年間は前とは全く異なり,燎原の火の如き勢いを以つて広がつている1)。我国に於いても,近い将来にそういつた状態に成るのは自明のことであろう。十数年間この方法の良さを信じて絶えず顕微鏡を用いてきた著者にとつては,喜ばしい事である。最近,Zoom式光学系の登場によつて,其れは更に複雑な興味を呈する様になつた。然し,手術用顕微鏡は,例えZoom式光学系であつても,出来るだけ小型であり,恰もルーペの様に,眼の動くところに自由について行くことが出来,出来る限り広い視野と,同軸性及び斜の完全な照明,細隙灯顕微鏡に見られる様な細隙光の装置を持ち,術者と患者の眼の距離は,読書距離である300mmの距離である様なものが開発されれば,更に眼手術法は改良されて来る筈である。例えば,Smith2)に始まり,Kras—nov3)の執拗な数年に渉る探究,Harms4),Mac—kensen5)等の改良に依つて最近脚光を浴びて来たTrabculotomy,Sinusotomy等の緑内障手術の如き手術法等である。
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