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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
視覚誘発反応の頭皮上局在についての臨床診断的研究(Component mapping)について
著者: 筒井純1 井村ヤス子1 竹中純子1 深井小久子1
所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1371 - P.1376
文献購入ページに移動視覚誘発反応(VER)を頭皮上から記録するとき,異なる部位から得られるVERの波形,振幅,頂点時に差があることが知られているが,部位差についての診断学的な意味づけについてはほとんど考慮されていない。VERは新生児期には後頭部中央に限局して現われ,周囲からはほとんど出現しないが,成長と共に後頭部から広く頭頂,側頭にかけても反応が出現するようになると言われている。そしてこれは脳の皮質連合系の複雑な関連が次第に発達することによるものと考えられている(Weinmann,Creutzfeldt & Heyde1))。
VERの頭皮上における局在を図に示す試みはRémond2)らによつてなされているが,これは頭皮上の一線上に配置した電極から得られたVERの+−の電位変化を経時的にその高低を表現する図に画いたものであつて,いわば経時的電位分布図Developing Potential mapでspatiotem—poral mapと呼ばれている。このmapでは頭皮上の一線上しか電位の変化が判らないので,私共はVERの主なcomponentについて頭皮上の分布状態を示すcomponent mappingとでもいう方式を試みた。
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