文献詳細
特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学会原著
文献概要
緒言
小児のleucocoriaに遭遇した場合,まず念頭におかなければならないのは網膜芽細胞腫であろう。網膜芽細胞腫はその好発年齢と特異な臨床所見によつて,診断は比較的容易なことが多い。しかし他疾患が合併したり,眼所見がatypicalな場合,診断に苦慮した症例や,誤診を免がれなかつた症例の報告も決してまれではない1)〜4)。
1965年から1970年迄の5年間に,白色瞳孔ないし黒内障性猫眼を主訴として広大眼科を受診し,網膜芽細胞腫の臨床診断のもとに眼球摘出を受けた患者は14名14眼で(第1表),それらの摘出眼球を病理組織学的に検索した結果,網膜芽細胞腫を否定されたものが2眼あつた。
小児のleucocoriaに遭遇した場合,まず念頭におかなければならないのは網膜芽細胞腫であろう。網膜芽細胞腫はその好発年齢と特異な臨床所見によつて,診断は比較的容易なことが多い。しかし他疾患が合併したり,眼所見がatypicalな場合,診断に苦慮した症例や,誤診を免がれなかつた症例の報告も決してまれではない1)〜4)。
1965年から1970年迄の5年間に,白色瞳孔ないし黒内障性猫眼を主訴として広大眼科を受診し,網膜芽細胞腫の臨床診断のもとに眼球摘出を受けた患者は14名14眼で(第1表),それらの摘出眼球を病理組織学的に検索した結果,網膜芽細胞腫を否定されたものが2眼あつた。
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