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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
前眼部疾患患者の結膜嚢内細菌叢,特に嫌気性菌について
著者: 松浦宏允1
所属機関: 1岐阜大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1391 - P.1396
文献購入ページに移動緒言
私は先に健康人結膜嚢内に嫌気性菌と好気性菌とがほぼ同菌数で共存,常在していることを明らかにし1),またこれら一部は結膜炎,涙嚢炎,睫毛眼瞼縁炎,麦粒腫など眼科領域感染症の起炎菌にもなりうるであろうと推定した2)。
ところで,嫌気性菌が前眼部感染症と因果関係にあると考えられる症例はClostridium perfrin—gensによる原発性の結膜炎(Henkind, P.&Fedukowicz,H.3)),Clostridium tetani による角膜潰瘍(Tsutsui4)),穿孔性眼外傷に続いて発症したClostridium perfringensによる慢性涙嚢炎(Beneditti5))などが報告されているにすぎない。このように少ない理由は嫌気性菌の検索が好気性菌の検索に比べて困難であることと,何か発症せしめ難い条件があるためかと思われる。
私は先に健康人結膜嚢内に嫌気性菌と好気性菌とがほぼ同菌数で共存,常在していることを明らかにし1),またこれら一部は結膜炎,涙嚢炎,睫毛眼瞼縁炎,麦粒腫など眼科領域感染症の起炎菌にもなりうるであろうと推定した2)。
ところで,嫌気性菌が前眼部感染症と因果関係にあると考えられる症例はClostridium perfrin—gensによる原発性の結膜炎(Henkind, P.&Fedukowicz,H.3)),Clostridium tetani による角膜潰瘍(Tsutsui4)),穿孔性眼外傷に続いて発症したClostridium perfringensによる慢性涙嚢炎(Beneditti5))などが報告されているにすぎない。このように少ない理由は嫌気性菌の検索が好気性菌の検索に比べて困難であることと,何か発症せしめ難い条件があるためかと思われる。
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