文献詳細
特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学会原著
Hurler症候群(Scheie Syndrome)の1例
著者: 福永喜代治1 玉井嗣彦1 渡辺猛1 藤永豊1 錦織劭
所属機関: 1鳥取大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1405 - P.1411
文献概要
Hurler症候群は既に1900年Thompson1)が独立疾患として考え,1907年にBerkan2)により記載報告されたものである。1919年にHurler3)が骨格変形に角膜混濁および知能障害を伴つた症例を報告し,Osteodysplasiasと呼んでいる。
1952年Brante4)がコンドロイチン硫酸らしいものを患者の組織から組織化学的に証明し,更に1957年から1958年にかけて,Meyerら5)およびDorfmanら6)により組織内の酸性ムコ多糖体の分離および同定,尿中への異常な排泄が明らかにされ,ムコ多糖体代謝異常を主病変とした所謂Mucopolysaccharidosisであることが解明されたのである。その後McKusickら7)の研究により現在では,本症の臨床症状,遺伝形式ならびにムコ多糖体代謝異常の面から6型に分けられている。
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