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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
汎下垂体機能低下と興味ある眼科的所見の変動を示した嫌色素性腺腫の1例—鼻咽頭伸展を主とした1例
著者: 井街譲1 山中昭夫1 佐古田雅弘2 大倉久直2
所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2神戸大学医学部第二内科
ページ範囲:P.1413 - P.1420
文献購入ページに移動嫌色素性下垂体腺腫は,組織学的には良性を示すが,しばしば鞍外伸展を示すが故に,所謂悪性下垂体腺腫の形をとる事がある。鞍外伸展を示す下垂体腺腫と鞍内型のそれとでは,その予後に於て両者間の格段の差1)2)3)があり,このため前者に対する診断治療は,あらゆる面から実に重要な問題を含んでいる。中でもこの鞍外進展型のうち咽頭進展は,非常に頻度は低く,その生じ得る病像もまだ明らかではない。
今回我々は,嫌色素性腺腫の咽頭伸展形の1例に於て,興味ある経過を示したものを経験したので,報告する。
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