文献詳細
特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学会原著
視覚障害を合併したろう児の各種検査成績
著者: 湖崎克1 山岨三樹1 三上千鶴1 大浦敏明2 一色玄2 曾我部律夫3 上村勇4
所属機関: 1大阪市立小児保健センター眼科 2大阪市立小児保健センター第一内科 3大阪市立小児保健センター耳鼻咽喉科 4大阪市立小児保健センター臨床検査科
ページ範囲:P.1429 - P.1433
文献概要
心身障害児の福祉には多くの問題がある。そして,その解決の第一歩は,まず十分な医学的検査により障害の実態を把握することから始まることは当然のことである。重複障害の場合には,それはさらに必要なことである。
最近,わが国では,ろう学校児童生徒に,網膜色素変性症が重複している場合の多いことがわかり,その実態調査を1969年に読売光のプレゼント協会が全国的に提唱した。大阪府下のろう学校(3校)の検診を筆者が受け持つたことを機会に,その眼科検診を単に網膜色素変性症の発見にとどまらず,種々の角度から幅広く行ない,併せて,全身的に,特に代謝面からの検査と聴力検査を実施したので,ここに報告し,また,視覚障害を伴つた聴覚障害児の今後の問題について,諸賢の御理解と御協力をあおぎたいと考える。
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