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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻6号

1971年06月発行

文献概要

特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

サルコイド性ぶどう膜炎の臨床

著者: 宇山昌延1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1513 - P.1522

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はじめに
 サルコイドージスで,眼にいろんな障害があらわれ,多彩な眼所見を示すことは,つとに関心の払われているところである。また,わが国においても,サルコイドージスが,かなり多いことがわかつてきた20)23)。このようにして,わが国眼科からも,サルコイドージスの眼症状について最近報告が多く,なかでも東京大学(鹿野,大場7)〜9)と東北大学(桐沢,山田ら11)〜14))からは,多数症例のまとまつた検索成績が報告されている。これらの報告によつて,眼サルコイドージスのおよその姿は明らかにされているのであるが,これらの報告は,全身性サルコイドージスの部分症状としてあらわれる眼所見を論ずる立場に力点がおかれ,われわれ眼科医の最大関心事である視力障害をもたらす眼疾患として本症を把握することが少しく乏しいように思われる。著者は,数年来,われわれのブドウ膜炎専門外来においてブドウ膜炎患者の検索に当つているが,眼サルコイドージスではブドウ膜炎の発生頻度がきわめて多く,しかもサルコイドージスによるブドゥ膜炎は全ブドウ膜炎中でも頻度がもつとも高いこと,さらに眼サルコイドージスで視力障害をきたすのはブドウ膜炎によるものであることがわかつた。かつ,これらサルコイドージスによるブドウ膜炎患者は,われわれの外来へ受診するまでは,ほとんどの症例において,原因についての診断が確定していなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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