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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻6号

1971年06月発行

文献概要

特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

網膜剥離の臨床(その2)重症網膜剥離の治療法—Schepensのシリコン埋没並びに緊縛法と硝子体内人工房水注入法

著者: 清水昊幸1 戸張幾生1

所属機関: 1東京厚生年金病院眼科

ページ範囲:P.1523 - P.1527

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緒言
 著者は先に網膜剥離を治療法との関連に於て分類することを提唱した。それは「24〜48時間絶対安静後の"残存網膜下液"」の量により,網膜剥離を5段階に分け,その各階級毎に適応手術法を選択すべきであるとするものである1)。すなわち第1度の網膜剥離は残存網膜下液が全くないもので光凝固の適応である。第2度の剥離とは残存網膜下液が硝子体容積の2〜3%まででジアテルミー穿刺凝固の適応となる。第3度剥離は残存網膜下液が10%程度までで強膜短縮術の適応であり,第4度剥離は10%以上でSchepensのシリコン埋没並びに緊縛法が適応となる。第5度は綱膜下液が更に多量(硝子体容積の1/4或いはそれ以上)で,スケペンス法と共に硝子体内人工房水注入が必要なものである。ここに重症網膜剥離というのは第4度及び第5度の剥離を指して言い,こうした症例に有効なSchepensのシリコン埋没並びに緊縛法と,硝子体内人工房水注入法の術式を簡単に説明し,同時に若干の症例を紹介するのが,この報告の目的である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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