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特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
Dysthyroid Ophthalmopathyにおける高眼圧について
著者: 井上洋一1 井上トヨ子1
所属機関: 1オリンピアクリニック眼科
ページ範囲:P.1593 - P.1600
文献購入ページに移動1901年,Braileyが甲状腺疾患に緑内障が合併する事が多いと報告して以来,甲状腺機能と眼圧の問題については数多くの論文がみられるにも拘わらず定説がない1)〜3)。動物を甲状腺剤で飼育すれば眼圧が下降し,逆に甲状腺を摘出すれば眼圧が上昇する事,臨床的にもバセドー病は眼圧が低く,粘液水腫は眼圧が高い等のHeltelの報告3)などから,一般に機能亢進は眼圧を下降せしめ,機能減退は眼圧を上昇せしめると考えている学者が多い。勿論,バセドー病にも眼圧の高いものと低いものがあると主張して,反対する学者のいる事はいうまでもない。
近年欧米では,バセドー病臨床の発展と緑内障診断法の進歩から,この異常眼圧が再び注目されて研究がすすめられている。しかしながら,眼硬性を中心にしたWeekers4)らの研究もdysthy—roid ophthalmopathyとしての眼局所の特異性に考慮が払われていなかつたために,書き改めざるを得ない結果となり,現在にいたっても明確な結論が得られていない。
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