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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻6号

1971年06月発行

文献概要

特集 第24回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

Fluorescein静注の及ぼす影響の組織学的研究—特に血管と肝臓に及ぼす影響

著者: 山口訓子1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1611 - P.1625

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緒言
 1882年Ehrlich1)によつて,初めて家兎に於てFluorescein (以後Fluoと略す)静注が用いられて以来現在に至る迄,Fluo sodium水溶液の静注は色々な眼科的診断に利用されている。特に最近の眼底疾患の診断に重要な役割を果している螢光眼底撮影に於ては,Fluo静注は今日欠く事の出来ないものとなつており,又この静注では一過性の悪心嘔吐,眩暈以外に臨床的副作用がほとんど発生しない点で珍重されてきた。しかしながら近年Scott2)等(1963)やJustice及びSever3)(1965)他によつてFluoショックの報告がなされ注目されている。Fluo静注後の眼組織とりわけ血液一房水柵や網膜脈絡膜組織についての報告はいくつか見られるが,全,身の生体組織に及ぼす影響についてはほとんど報告されていない。そこでFluo静注の生体組織に及ぼす影響を家兎に於て特に全身の主要血管,肝臓について病理組織学的に検索したのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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