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臨床実験
白内障性水晶体内出血の1例
著者: 増田義哉1 小池明子1 富田一郎
所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1755 - P.1758
文献購入ページに移動水晶体はその構造が緻密であり,血管のない組織であるので,前房又は硝子体の出血に比べて,水晶体内出血は非常に稀なものとされているが,今回,我々は,穿孔性眼外傷後に,前房蓄膿と外傷性白内障を起こし,その後その水晶体内に出血を認めた1症例を経験したので,その臨床所見並びに経過及び組織学的所見などを述べて,症例追加としたい。水晶体前被膜に密着した血液や,水晶体後被膜後方即ちBerger腔内に時々見られる出血を水晶体実質内の出血と見誤る事は稀ではないが,真の水晶体内の出血は,Duke-Elder1)もSystem of Ophthalmologyで珍しい事であると述べている。
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