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臨床実験
人眼ERGの陰性および陽性off応答
著者: 河崎一夫1 土田豊1
所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1969 - P.1973
文献購入ページに移動緒言
生体眼の網膜電図(ERG)のoff応答(刺激光の遮断に対する応答)は,杆体優位網膜では陰性方向(下向き)の振れ(陰性off応答)で始まり1)〜6),錐体優位網膜では急峻な陽性方向(上向き)の振れ(陽性off応答)で始まる1)3)6)〜8)。Brown6)によると,杆体系優位のERGと錐体系優位のそれとの間の,波形上の最大の差異はoff応答にある。混合綱膜を持つ人眼では,刺激光の強さにより,陰性または陽性off応答が得られる9)〜14)。人眼のoff応答と,暗所視(杆体系)および明所視(錐体系)過程との関係を追求した研究として,Biersdorf15)のもののみがある。彼は陽性off応答のみに着目し,陰性off応答には全く注目していない。本報では,正常人,停止性夜盲症例および杆体一色覚症例における陰性および陽性off応答について記し,これらの応答と暗所視および明所視過程との関連に言及する。
生体眼の網膜電図(ERG)のoff応答(刺激光の遮断に対する応答)は,杆体優位網膜では陰性方向(下向き)の振れ(陰性off応答)で始まり1)〜6),錐体優位網膜では急峻な陽性方向(上向き)の振れ(陽性off応答)で始まる1)3)6)〜8)。Brown6)によると,杆体系優位のERGと錐体系優位のそれとの間の,波形上の最大の差異はoff応答にある。混合綱膜を持つ人眼では,刺激光の強さにより,陰性または陽性off応答が得られる9)〜14)。人眼のoff応答と,暗所視(杆体系)および明所視(錐体系)過程との関係を追求した研究として,Biersdorf15)のもののみがある。彼は陽性off応答のみに着目し,陰性off応答には全く注目していない。本報では,正常人,停止性夜盲症例および杆体一色覚症例における陰性および陽性off応答について記し,これらの応答と暗所視および明所視過程との関連に言及する。
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