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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科25巻9号

1971年09月発行

文献概要

学会印象記 第9回北日本眼科学会 グループディスカッション

螢光眼底

著者: 杉浦清治1

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.2023 - P.2025

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 第9回北日本眼科学会は1971年6月12,13日の両日,入野田教授主宰の下に,青森市において開催された。初日の午後に五つのグループディスカッションが行なわれたが,筆者は「螢光眼底」に出席したので,その模様をやや綜説的に述べてみたい。螢光眼底については第2日午後に鹿野前教授の特別講演があり,見事なスライドで聴衆を魅了した。たしかに螢光眼底造影法は臨床をぐんと楽しく,深いものにしてくれた。さて今回の会には,鹿野前教授,清水(弘)助教授,水野教授,船橋教授,石川(清)助教授,その他の諸氏がはるばる参加して討論に加わつてくれた。
 横山(慈大)は眼底写真の螢光像の濃淡と血中フルオレスセイン濃度との関係をみた。螢光造影の強さは頸動脈血のフルオレスセイン濃度と平行し,橈骨動脈や静脈血のそれとは平行はしない。最高の螢光造影は頸動脈血中の濃度が13〜5mg/dlの間にあるときに得られるという。周知のように,よい造影はフルオレスセイン濃度が高すぎても低すぎても得られないのであつて,毛細血管では10−3g%溶液がよく造影されるという実験成績と一致するのである。演者自身が実験台となつて,頸から採血するという熱意に敬意を表したい。血中に混入したフルオレスセインソーダは,24時間の経過では血球やヘモグロビンに結合せず,また螢光度も低下しないという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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