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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科26巻1号

1972年01月発行

文献概要

臨床実験

アトピー皮膚炎に白内障と網膜剥離を伴つた症例

著者: 橋井麗子1 宇山昌延1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.35 - P.40

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緒言
 アトピー性皮膚炎に合併する眼疾患としては,白内障が最も良く知られているが,その他に,眼瞼皮膚炎,角膜炎,円錐角膜,虹彩炎および続発性緑内障,網膜浮腫,網膜剥離等が報告されている。白内障はアトピー性皮膚炎患者の5〜10%に合併するとされ,わが国でも今迄に19例の報告を数える1)。本白内障の摘出手術後に,網膜剥離の合併率が高いとされている。一方白内障手術に関係なく,網膜剥離が存在することも報告されており,アトピー性皮膚炎に白内障と網膜剥離を合併した症例は,三徴候合併症例(Die Trias Der—matose,Katarakt u Ablatio-retinae)として取り扱われている。このような症例は著者の文献調査において,今迄に14例の報告が見られるが,わが国ではまだ報告をみない。われわれは,最近アトピー性皮膚炎に白内障と網膜剥離を伴つた症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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